メンバーイラスト制作インタビュー「Roots in the snowガチャ」
Colorful PaletteがSEGAと協業で贈る「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(以下、プロセカ)では、周期的にイベントにあわせたガチャが開催されています。
今回は2024年3月に開催された「Roots in the snowガチャ」のメンバーイラストについて、制作を担当したイラストチームにインタビューしました。
※一部イベントストーリーの内容が含まれています。未読の方はご注意ください。
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チーム紹介
コンセプト・構図
今回のイベントストーリーでは、メインキャラクターの冬弥が曲作りを通して、クラシックから逃げてしまった過去の自分と改めて向き合う様子が描かれていました。ストーリーの大きな要素として描かれていた“冬弥の心情の変化”や“父親との関係性の進展”を、イラストでも大切に描きたいと思い制作にあたっています。
全体を通して優しさや少しの切なさを感じられる温かみのある色合いを意識しつつも、ラフで大人っぽい今回の衣装が引き立つような、オシャレな雰囲気も感じられるテイストを目指しました。
冬弥のイラストは、クラシックに打ち込む幼き日の彼と、今回の出来事を経た現在の彼を描きました。その表情や仕草からは、ここまでの自分の歩みを振り返った今、彼の中にある感情が読み取れるかと思います。これまでのイベントでも冬弥とピアノを描いたイラストはいくつかありますが、見比べていただくと、クラシックに対する彼の感情の変化が見えてくるかもしれません。
杏は、下から見上げる構図や、角度のついたポージングで、スタイリッシュな1枚に仕上げました。余裕すら感じる頼もしい微笑みからは、彼女が冬弥の曲を聞いたときに感じた「私たちなら、絶対夢の先にいける」という杏のポジティブな思いが感じられます。ビルの高層階に立つシチュエーションや、差し込む朝日の明るさで、彼女たちのこの先の歩みへの希望を表現したいと思いました。
イベントストーリーでは、頑張りすぎる冬弥に寄り添い、心を砕いていたMEIKOさん。今回は“その後”の彼女の心境をイメージし、どこか安心したような、優しい笑みを浮かべるMEIKOさんを描きました。また、今回の衣装の大人っぽくオシャレな衣装に合わせて、色合いやポージングはクールな演出にしています。
衣装
今回のイベントストーリーでは、大きな要素として冬弥と父親の関係性の雪解けが描かれていました。そこからインスピレーションを得て、それぞれに共通するモチーフとして、前向きな歩みを連想する花をあしらったデザインです。
また、今回イベントで追加された楽曲「blender」の大人っぽくゆったりとした曲調に合わせて、“ラフなオシャレさ”と“落ち着き”を感じられる私服をテーマにしています。それぞれのキャラクターに似合うようにアクセサリーやアイテムをチョイスし、シンプルながらもスタイリッシュなコーディネートを目指しました。
冬弥は、ゆるっとしたシルエットですが、シャツの前ボタンをしっかり留め、シャツインのスタイルにすることで、冬弥らしい落ち着いた印象に着こなしています。ハナビシソウの柄が目を引くよう、それ以外の部分はモノトーンでシンプルに整えました。スチームフレームのメガネや、リングといったシルバーの小物を取り入れることで、クールでオシャレな印象をプラスしています。
杏は、落ち着いたカラーのセットアップをベースにしたデザインです。短いトップスや、シースルーインナーで肌を見せることで、ヘルシーな色っぽさや余裕を感じさせるコーディネートを目指しました。一方で、まだ自身の立ち向かう課題や、乗り越える壁が残る杏。彼女の成長の伸びしろをデザインにも取り入れたいと思い、彼女の衣装の柄部分には花だけでなく葉の面積も多く描いています。
MEIKOさんはワンピースをベースに、腰回りのアレンジや、柄シャツの取り入れ方で、MEIKOさんらしい個性が感じられるデザインに仕立てました。肩や足元をすっきりと出し、大ぶりなアクセサリーをあしらうことで普段の彼女の大人っぽい雰囲気は壊さないまま、しっとりとやわらかな素材のシャツや、アシンメトリーなスカートで、ゆるっとしたラフな印象を加えました。
背景
今回のイラストは、まずはじめにイベントのメインキャラクターである冬弥のイラストのイメージが出来上がりました。冬弥のイラストで描かれている“ピアノ”が大切な要素の1つでしたので、それが映えるよう、またイベントで追加された楽曲の雰囲気に合うよう、全体のテーマとしてオシャレでアーティスティックな空間を描くことを目指しました。
また、今回のイラストの背景では、光の下に落ちた影の中をあえてしっかりと大切に描くことを意識しています。今まで見えなかったものが見えるようになった冬弥の視点とリンクさせた表現をしたいと思ったからです。
冬弥は、背筋を伸ばして懸命にピアノと向き合う幼い冬弥と、そこに寄り添う現在の冬弥の空気感を大切に描きたいと思いました。彼らを照らす光は柔らかく、温かみを感じる色合いに仕上げています。また、直線の多いシンプルな空間ながら、散りばめた花のシルエットが浮かないよう曲線も取り入れることによって、画面全体でリズムを感じられる構成を意識しました。
杏は、モダンアートや華奢な金装飾が飾られている、高層階のスタイリッシュな一室にいます。背後から彼女を後押しするように照らす光は、凪いで穏やかに、優しい色合いで表現しました。イラスト全体をモノトーンの落ち着いた雰囲気に描きながら、杏や花が埋もれず、引き立つように仕上げています。
MEIKOさんは、他の2人と比べてもよりシックな色合いで全体を描いています。まだ光の当たらない部屋の中と、朝日を浴びた窓の外の明るさのコントラストをつけることで、メリハリを意識しました。背後に冬弥を思わせるアイテムを多く見つけることができるのは、冬弥の行く先を温かく見守ろうとするMEIKOさんの気持ちが表れているからかもしれません。
さいごに
今回のイベントストーリーを通じて、苦しみながらもこれまでの自分や父親と改めて向き合った冬弥。そんな彼の心情や成長を中心に、ビビバスのみんなが感じた想いや状況も大切に描きたいと思いました。まだ完全ではないけれど、夢の先に向かって一歩一歩進んでいく彼らを後押しできるよう、希望を感じるイラストを目指して制作しました。
また、今回のイラストは全体のコンセプトや衣装、楽曲のイメージから、いつもとはまた違った雰囲気のオシャレさを纏うビビバスのみんなを意識しました。普段の彼らとのギャップを楽しんでもらえるものになっていたら嬉しいです。
引き続きプロジェクトセカイをどうぞ宜しくお願いいたします。
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