【リリースレポート】ユニット衣装リニューアルの裏側
Colorful PaletteがSEGAと協業で贈る「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(以下、プロセカ)は、2023年9月に3周年を迎えました。それに伴い、プロセカのキャラクターたちの3年間の歩みや成長に合わせ、ユニット衣装をリニューアルしています。
今回はオリジナルキャラクターの新しくなったユニット衣装のこだわりや見どころについて、衣装制作チームに取材しました。
数十回のやりとりを重ね、今のデザインに。
プロセカのイラストチームは、大きく分けると「キャラクターチーム」「衣装チーム」「背景チーム」「Live2Dチーム」の4つに分かれています。細かい役割は分かれていますが、チームの枠を越えて気軽に相談をしにいける雰囲気があるため、協力してものづくりをしています。
今回の衣装制作では、衣装チームが中心となりつつ、キャラクターチームとのディスカッションを重ねて、デザイン制作を進めていきました。
まずは衣装チームとキャラクターチームで、ユニットごとにどんな方向性の衣装にするかを決めました。ディスカッションの際には、それぞれの考えるイメージ画像を持ち寄ったり、表現したい雰囲気に合ったキーワードを話し合ったりしながら、手探りで0からのすり合わせを行いました。
ミーティングを重ね、概ねメインとなるコンセプトやキーワードが固まったら、衣装チームがデザイン制作を行います。
第1案が出来上がった段階で、再度キャラクターチームを交えて“ユニットごとにどれくらい統一感を出していくか”、“4人並んだ時のバランスは適切か”、といった細かい点を議論しながら、調整を重ねます。
時にはシナリオチームや社内でそのユニットが好きな人にヒアリングを行い、議論と調整を何度も繰り返しながら、今の形のデザインに仕上がりました。
今回のユニット衣装は、3周年の節目にリリースされるものでしたので、キャラクターたちのこれまでの成長や軌跡が感じられるデザインにしたいと思いました。小物1つやシルエットの少しの違いが印象を大きく左右するため、“現状のデザインでキャラクターの魅力が100%伝わるか?”を問いかけながら少しずつ調整をしていきました。細かい調整を合わせると1着当たり数十回のやりとりを重ねたものもあります。
また、ユニット衣装のリニューアルは、3周年のリリースの1年半程前から制作が始まりましたので、「リリースした時に古いデザインになってしまわないように」ということも大切にしていました。
デザインの確認ミーティングでも「1年半後にはこのスタイルは流行っていないだろう」「流行に左右されすぎないアイテムにしよう」という話が何度もあがりました。リリース時のファッションの状況を確実に予見することはできないため、難しさを感じる部分もありましたが、SNSやファッションサイトを参考に、常に最新のファッションや流行を追いながらデザインを進めていきました。
それぞれの衣装に込めた思い
■Leo/need
初期のユニット衣装にも共通する要素ですが、学生バンドである彼女たちの“青春感”や“学生らしさ”を大切にしたデザインにしたいと思いました。お揃いのブレザーを身にまとうことで、「レオニのための学生服」というイメージでデザインをしています。バンドらしさも感じられるよう、アクセサリーやブーツには皮素材を用いて、クールでロックな印象をプラスしました。彼女たちの大切な思い出である「星」のモチーフは、それぞれ衣装の中に違った形で散りばめています。
また、プロになるという夢に向かって、少しずつ歩みを進めてきた彼女たちの現状や思いもデザインに反映したいと思いました。初期のユニット衣装と比べると、かっちりとしたブレザーを身に着けていたり、落ち着いた色味を用いたりと、リニューアルした衣装にはどこかリアリティや、芯がしっかりとした印象を感じてもらえるのではないでしょうか。これは彼女たちの「プロになることをただの“夢”では終わらせない」という決意を、デザインにも込めたいと思ったためです。
■MORE MORE JUMP!
初期のユニット衣装は「王道アイドル」をコンセプトに、たくさんのフリルをあしらった可愛らしい衣装でした。今回のリニューアルでは、より磨かれた印象のデザインにしたいと思い、スタイリッシュでシンプルな衣装を目指しました。未来に向かって羽ばたく彼女たちをイメージして、爽やかな水色と白をメインカラーにしています。全体の色数を少なくし、キャラカラーを差し色として用いることで、可愛さの中に大人っぽさも垣間見える衣装です。彼女たちのトレードマークである「三つ葉のクローバー」は、ワンポイントとして頭部や腰まわりでキラリと輝きを放っています。
また、胸元のボタンや袖のフリル、カフスの形状を統一することで、より1つのグループとしてまとまった印象が感じられるようにデザインしています。一見すると同じような衣装に見えますが、襟やスカートの形状といった細かいシルエットにこだわって1人1人の差を出しながら、それぞれの魅力が引き立つ形を模索しました。
■Vivid BAD SQUAD
チームとして走り出したこれまでは、彼女たちの私服がユニット衣装を兼ねていました。今回は改めてパフォーマンス用としてユニット衣装を仕立て、私服との差別化を行いました。衣装としてのエッジを立たせ、よりスタイリッシュさや目新しさを感じてもらえるようにデザインしています。加えて、ここに至るまでに彼女たちが感じた思いや、心情の変化も衣装の要素として取り入れています。まだ夢を叶える道すがらの彼女たちですので、全てを一新するのではなく、初期のユニット衣装を思わせる要素も残しました。
また、4人で団結し大きな夢に向かっている現状を表し、今まで以上にユニットとしてのまとまりを意識して制作しています。4人が揃って“Vivid BAD SQUAD”だと感じられる衣装にできるよう、「それぞれの個性が引き立つテイスト」と「4人チームとしての統一感を感じられる要素」の塩梅を模索しました。1人1人のイメージカラーを印象的に用いつつ、全員にさりげなくユニットカラーであるビビッドピンクの差し色を使っています。
■ワンダーランズ×ショウタイム
ワンダショのリニューアルしたユニット衣装は、全ユニットの中でも、最も初期のユニット衣装の面影が残っています。彼らのつくるショーは大人も子供も楽しめるものであり、子供たちに好かれる「ショーキャストのお兄さん、お姉さん」の印象を変わらず大切にし、衣装に反映したいと思いました。そのため、これまでの衣装のイメージからは大きく変えず、ポップで可愛いモチーフもそのまま残しています。ただ、彼らがここまで歩んできた道のりや、その過程での成長も衣装に反映したいと思い、大人っぽさを感じる要素をプラスしたり、落ち着いた色合いを用いることで、より洗練されたデザインを目指しました。
それぞれの生地の一部には、賑やかなサーカスを連想させるようなストライプ柄を共通で用いています。加えて、同じ色味の白を使ったり、イメージカラーの色味のトーンを合わせることで衣装全体での統一感を出し、これまで以上にショーユニットとして1つになったワンダショの一体感を表現しています。
■25時、ナイトコードで。
初期のユニット衣装でも意識していた「セーラー服」「ダーク感」といったワードを活かしながら、彼女たちのこれまでの歩みの中で変化した思いや、現在の心境を反映させました。大きな襟や、首元のV字のライン、リボンタイ風の飾りでセーラー服の要素を取り入れています。
彼女たちの抱える問題や悩みの重たさとリンクするように、衣装にも沈んだ暗めの色味を使いました。一方で、ニーゴのみんなは、これまでの道のりで少しずつではありますが、取り繕った自分ではなく、本来の自分らしさや気持ちを露わにするようになってきています。そんな彼女たちの内面を表すように、よりシンプルですっきりとしたデザインになるよう、形状や色数を調整しました。それぞれに共通してあしらった花柄は、彼女たちの現状や思いに合わせてデザインを変え、別々の花をモチーフにしています。
これから目指すのは?
今後もキャラクターの心情を大切にしながら、開催されるイベントのテーマや雰囲気に合わせて、1着1着大切にデザインしていきます。それぞれのユニットが、自分たちの目標や夢に向かって大きく動き出していますので、成長していくキャラクターに合わせて、衣装も一緒にパワーアップしていけたらなと思います。これまで以上に、彼女たちの強みや良さを引き出せるデザインをお届けできたら嬉しいです。
また、プロセカも3周年を迎え、これからも彼女たちが旅を続けていく中で、これまでに登場したものと似たテーマを取り扱うことがあるかもしれません。ですがその際に、同じテーマだけれども全く別の印象を感じてもらえたり、違った魅力を感じてもらえる衣装にできるよう、攻めの姿勢でデザインをしていくことを意識していきたいです。ユーザーの皆さんにキャラクターの新しい魅力や、衣装を通しての新しい体験を届けられるよう、チーム一丸となってチャレンジを重ねていきたいと思います。
引き続きプロジェクトセカイをどうぞ宜しくお願いいたします。
【関連記事】
よろしければ是非こちらもご覧ください。