見出し画像

Creator Three Questions【3Dアーティスト 亥と卯氏】

こんにちは!Colorful Palette広報ライターのたじまゆです。
Colorful Paletteでは、ものづくりに携わる企業としてより成長し続けるために、社内研修の一環で各業界のプロをお招きしたセミナーや講演会を実施しています。

先日は、Colorful Palette新規プロジェクトの3Dチームを対象に、3Dキャラクターアーティストの亥と卯さんをお招きしました。『凡事徹底から生み出された“作画アニメに矛盾しないモデリング”』をテーマに、制作における考え方や工夫について教えていただきました。

▼実施イベント概要はこちら


今回の新シリーズである「Creator Three Questions」は、そんなお招きした講師の方に3つの質問をさせていただくシリーズです。
亥と卯さんにお聞きした、制作の上での心得やこだわりをご紹介します!



■講師紹介

<来歴>
2018年  専門学校ゲームグラフィック学科卒業
     在宅フリーランスとして活動を開始
2019年  TVアニメを中心にモデル制作
2020年  VRアバター・インディーゲームキャラクター・Vtuberなどのモデル制作
2021年~2022年
      スマホゲーム会社でキャラクターモデラーとして1年間就業
     その後再びフリーランスとして企業Vtuber・企業VRアバターのキャラクター制作に携わる。登壇やコラム執筆も精力的に行う。
2023年  コンシューマーゲームやCGアニメーションのキャラモデル制作を行う

X:https://x.com/itou_nko
ポートフォリオサイト:
https://www.itou-nko.com/


■Question 1

Q.早速ですが、普段メインで使用しているツールを教えてください。

もともとは“Autodesk 3ds Max”を使っていたのですが、1年半くらい前に“Pencil+4”というアニメ表現に特化したプラグインがリリースされたことをきっかけに、“Blender”に移行しました。これまではモデルをつくっている途中にレンダリングを実施して、それで生成された画像を見て調整して……という手間がかかっていたのですが、Blenderを使ってみたところレンダリング後の結果がリアルタイムで見れたことが魅力的でしたね。

加えてBlenderは個人や法人がつくっている無数のアドオンやプラグインがあって、それを使うことによるカスタマイズ性の高さも魅力ですね。「あったらいいな」という機能を加えていくことで自分の理想の形にツールが近づいていきます

また、Blenderはアマチュアの方や初心者の方がまず触るような代表的なツールですので、たくさんの方がブログやYouTubeにチュートリアルを上げてくれています。メジャーなツールということもあり、知り合いにも聞きやすいですし、分からないことを調べればすぐに見つけられることができるのも使いやすいポイントですね。



■Question 2

Q.亥と卯さんがモデルをつくる上でのこだわりポイントを教えてください。

アニメのモデルは、カメラから見えるシルエットや造形を最大限に良くするように考えています。「どうすれば3Dと分からないようなアニメ表現ができるか」というのも制作の上で意識するポイントですね。3Dは追求しようと思えばどこまでもリアルな表現もできるのですが、服のシワや髪の毛などで、あえて「リアルさを追求しすぎない」ことで2Dに寄せた表現を追求しています。

一方でゲームは、プレイヤーが自分で様々な角度からモデルを眺められる環境がありますので、「どの角度から見てもバランスが良い見え方」をつくることにこだわっています。最初はこの違いで、「アニメだったらもっと極端なシルエットにできるのにな」というジレンマを感じたこともありました。ゲームのモデルは、どこから見ても破綻しない、綺麗なモデルをつくることの面白さと難しさがありますね



■Question 3

Q.最後に、創作の原動力を教えてください。

一番前提にあるのは、「自分の手でかわいいキャラクターをつくりたい」という思いです。
制作の上ではアニメーションから刺激をもらうことも多く、表現が柔らかい3D作画や手で描く2D絵のすごさを感じた時に、「どうしたらこの柔らかさを3Dで再現できるんだろう」「3Dも負けないぞ」という気持ちが沸きます
また、モデルに限らず、アニメーション等クリエイティブの自分ができる範囲を広げて、もっとかわいいキャラクターをつくっていきたいと思って、いろいろと勉強をしています。

実は最初に3Dをやりたいと思ったきっかけは、高校生の時に見た初音ミクのMMDでした。当時はちょうどクオリティが高いMMDが出回りはじめていた時期で、「自分もこんな3Dのキャラや映像をつくりたい」と思い、映像学科のある大学に行ったのがはじまりです。
そんな自分の大きな目標としては、“自分の作品を世界の方々に見て頂いて、心を動かすようなものがつくりたい”という思いがあります。自分が初音ミクのMMDを見て憧れたように、自分の作品が、誰かの行動するきっかけや原動力になれたら嬉しいです。


亥と卯さん、貴重なお話をありがとうございました!


■今回のイベントの様子

今回亥と卯さんに講演いただいたイベントについても簡単に紹介させていただきます。

▲自主制作のアニメキャラのモデル紹介や亥と卯さんの体験談を例にあげながら、ご自身の制作の上での考え方や工夫を教えていただきました。
▲亥と卯さんと弊社3Dクリエイターによるトークセッションも行い、「最近革命的に感じたBlenderのプラグインについて」や「グローバルと戦うための考え方」などの意見交換をさせていただきました。
▲第二部では亥と卯さんと弊社メンバー、そして参加者の皆さんでの懇親会を実施しました。講演内では語りきれなかったお話を聞かせてもらいつつ、和やかな情報交換の場となりました。

今後もColorful Paletteでは、ものづくりに携わる企業としてより成長し続けるため、クリエイターさんをお招きし、セミナーや講演会を実施していきます。随時コーポレートサイトやColorful Palette公式Xでもお知らせしますので、興味のあるものがございましたら、ご参加いただけると嬉しく思います。


【採用情報はこちら】

【関連記事】
よろしければ是非こちらもご覧ください。

【アンケートにご協力ください】