メンバーイラスト制作インタビュー「沈みゆくadolescenceガチャ」
Colorful PaletteがSEGAと協業で贈る「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」では、周期的にイベントにあわせたガチャが開催されています。
今回は2022年7月に開催された「沈みゆくadolescenceガチャ」のメンバーイラストについて、制作を担当したイラストチームにインタビューしました。
※一部イベントストーリーの内容が含まれています。未読の方はご注意ください。
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チーム紹介
コンセプト・構図
今回のイベントストーリーでは、咲希が入院していた頃の辛い記憶と向き合います。彼女の苦悩を表現したいと思い、当時を象徴するアイテムを散りばめました。また、現実味のない不思議な色合いで、彼女の心情を表現しています。
咲希は、入院していた時のことを思い出させる様々なアイテムと共に、バスタブに溜まった水に浸かっています。流れ続ける水は、終わりが見えなく感じていた闘病中の苦しみを連想しました。当時の記憶を思い返しているからか、咲希はこれまで見せなかった表情を浮かべています。
一歌は、レオニメンバーが4人で写っている写真を水の中から拾い上げています。寂しい雰囲気ながらも、色合いにどこか優しさを感じられるのは、当時の咲希の気持ちに寄り添いたいという一歌の想いが表れているからだと思います。
レンくんは、音楽の教科書を興味深く眺めながら、中学時代に咲希が歌えなかった曲をくちずさむ様子を描きました。咲希や一歌のイラストと比べると、どことなく明るい印象を受けるイラストに仕上げています。イラスト全体の雰囲気から、「当時できなかったことは、これから一緒にやろう」という、レンくんの前向きな考え方を感じ取っていただけたら嬉しいです。
衣装
構図やコンセプトと同じように、衣装でも咲希の苦悩を表現したいと思いました。今回のイベントに合わせて実装した楽曲の歌詞や、咲希の入院時代の記憶などからコンセプトを詰めていきました。彼女たちの心象を反映し、レオニの衣装では珍しい、ダークな要素を取り入れています。
咲希の衣装は一見シンプルな形状ですが、袖に入った切れ込みや不自然な重ね着の仕方で、彼女の当時の不安定な心情を表現しました。蜘蛛の巣の柄はその場にとどまることしかできず、身動きのできなかった入院中の彼女の様子を表しています。
一歌の衣装のシャツ、スカート、サスペンダーといった要素は、彼女の普段のユニット衣装と共通している点ですが、この衣装は同じアイテムを用いながらもどこか不完全で暗い印象です。これは咲希がいないことで始まらなかった、Leo/needの当時の状況を反映しています。シャツの前立ての五本線は五線譜をイメージしており、音符がないため演奏が始まらない楽譜を表現しています。
レンくんは、パーカーを採用したり、チェック柄を取り入れることで、彼らしいやんちゃな雰囲気のデザインに仕立てています。身につけているアクセサリーは、入院していた時の咲希の様子や心情を反映しています。
背景
今回のイラストでは共通して水が描かれていますが、この水は咲希のイラストでバスタブに溜まっていた水と同じものです。彼女の気持ちに寄り添いたいという思いに影響を受けたのか、一歌とレンくんのいる場所にも、バスタブの水が反映されています。咲希の気持ちを表現する大切な要素として、水の質感を意識して制作しました。
咲希の周りを囲むアイテムは、当時咲希がしなくてはならなかったことと、やりたくてもできなかったことを表しています。また、忘れることのできない当時の記憶とリンクさせたかったため、まとわりついて離れない水の質感を意識して制作しました。
一歌のイラストは咲希の気持ちに寄り添いたいという想いからか、入院していた際の咲希の様子が反映されています。マットレスしかないベッドや、蜘蛛の巣が張った天井などから見て取れる、人気のないガランとした様子は当時の咲希の部屋の状況とリンクしています。
レンくんは学校の教室で、机の上に横になっています。周りに散乱しているのは中学生用の教科書です。レオニメンバーを気にかけるレンくんの気持ちが反映されているからか、寝そべっている机の数や、コードの星の数などは彼女たちを表すように4つあります。
さいごに
咲希の感じた苦悩を軸に、彼女たちの心情を丁寧に描きたいと思いました。普段は明るく爽やかな魅力を見せてくれることの多いレオニメンバーですが、今回のイラストでは新たな魅力も発見してもらえるのではないかと思います。壁にぶつかりながらも前に進んでいく彼女たちの成長を、一緒に見守って頂ければ嬉しいです。
引き続きプロジェクトセカイをどうぞ宜しくお願いいたします。