メンバーイラスト制作インタビュー「Where is ♡?ガチャ」
Colorful PaletteがSEGAと協業で贈る「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」では、周期的にイベントにあわせたガチャが開催されています。
今回は2023年7月に開催された「Where is ♡?ガチャ」 のメンバーイラストについて、制作を担当したイラストチームにインタビューしました。
※一部カードストーリーの内容が含まれています。未読の方はご注意ください。
▼前回の記事をまだご覧になってない方は是非こちらもご覧ください。
チーム紹介
コンセプト・構図
今回のイベントのタイトルである「仮面の私にさよならを」や、イベントで実装された楽曲「演劇」からも連想し、“舞台から降りたまふゆ”と、“彼女に寄り添うニーゴのみんな”をイラストでもまっすぐ描きたいと思い、制作にあたりました。
また、今回のイベントストーリーではひとつの大きな要素として、まふゆと母親の関係が描かれていました。まふゆの心情を反映させたイラストにできるよう、彼女にまつわるアイテムも多く散りばめています。
特訓前のイラストでは、糸でがんじがらめになりながらも、自分の思いを懸命に伝えていたまふゆ。特訓後のイラストでは、自分の意思で、その糸を断ち切りました。流れる大粒の涙とは対照的に、その瞳がどこか感情の見えない色をしているのは、彼女のやり場のない思いが滲んでいるからかもしれません。
奏は、ボロボロになった宝石を受け止めて、優しく寄り添う様子を描きました。彼女がいるのは、どこか鋭く直線的な印象のアイテムが目立つ空間です。それと対比するように、宝石を包み込む彼女のしぐさや、纏う服が描く曲線は柔らかくなるように意識して制作しました。宝石と共鳴しているためか、彼女の表情には複雑な感情が垣間見えます。
絵名は、たくさんの物や糸に行く手を阻まれながらも、宝石を光の方へ連れ戻そうと必死に手を伸ばしています。これまでのイベントストーリーの中でも、まふゆに「嫌なことは嫌だと言っていい」と伝えていた絵名。険しい表情ながらも、その瞳にはどこか立ち向かうような強い意思が感じられるかと思います。
衣装
今回のイベントストーリーでは、これまで母親が全てだったまふゆが母親と決別し、新たな一歩を踏み出した様子が描かれていました。そこからインスピレーションを得て、“これまでとは違ったまふゆの誕生”をイメージし「ベビードレス」のような形状をベースとし、無垢な白を基調にした衣装を仕立てています。泥がはねたような模様は、イベントストーリーで雨の中家を飛び出した彼女の状況とリンクさせました。
これまでの衣装では、首元が詰まっていたり、首まわりにアイテムがあしらわれたデザインの衣装が多かったまふゆ。今回は彼女の心情と重ね合わせて、初めて首まわりが見えるスッキリとしたデザインの衣装を仕立てました。背面には、走った際に飛び散った泥のような模様や、ちぎれてしまったアイビーを模したレースがついています。
奏は、彼女らしいシンプルなデザインで仕立てながら、「まふゆを救う曲を作りたい」という彼女の強い思いを反映し、胸元や裾に五線譜をイメージしたラインを取り入れました。背中に泥がたくさんついているまふゆとは対照的に、まふゆを受け止める奏の泥は前面についており、五線譜の上にまるで音符のように並んでいます。
絵名は、ふんわりとした形状の衣装に、包帯のようにも見える白いリボンやフリルをあしらいました。胸元についた欠けたリンゴの飾りや、裾にあしらったスズランの柄で、可愛らしい印象になるよう仕立てています。イベントストーリーでまふゆを探して走り回っていた彼女の姿から、足元は走りやすくカジュアルなサンダルを採用しました。
背景
全体のコンセプトでもフォーカスしていた“まふゆの心情”を引き立たせることができる背景にしたいと思いました。これまでのカードイラストでも描かれていた様々なアイテムを取り入れていますので、細かい部分まで注目してもらえたら嬉しいです。
まふゆの背景は、今回実装されたイベント楽曲の「演劇」からインスピレーションを得て、“まふゆが舞台を後にすることで、その舞台が壊れていく”というイメージで制作しています。落ちてくる物の浮遊感は残しつつも、その瞬間が止まったような印象を残したいと思い、ストップモーションアニメの1コマのような絵づくりを意識しました。
奏のいる空間は、まふゆの心に渦巻く混乱が反映されたかのように、食器や医学書、文房具など、まふゆに関連するアイテムが散乱しています。家具や糸には、これまでのイベントでも描かれていた“アイビー”が巻きついています。深く宝石に共鳴している奏のいる場所は、寂しさや心もとなさを表現したいと思い、暗く深い色合いで描きました。
絵名がいる場所は、特訓前のイラストで必死にまふゆを探していた彼女の感情とリンクするように、他のイラストと比べても、とりわけ多くのアイテムを描きました。消えそうに鈍く光る宝石が漂う場所は寂しさを感じるような暗さで描き、対照的に絵名が来た方向はどこか安心感のある明るい色合いで仕上げました。
さいごに
今回初めて強い感情を見せたまふゆや、そんな彼女にそれぞれの思いで寄り添うニーゴのみんなの思いをしっかり描きたいと思いました。
また、まふゆを取り巻くイベントストーリーの1つの大きな区切りとして、これまでのイラストで描かれていたモチーフやアイテムを各所に散りばめていますので、注目してもらえると新しい発見があるかもしれません。
葛藤しながらも、少しずつ前に進んでいく彼女たちの行く末を、一緒に見守っていただけると嬉しいです。
引き続きプロジェクトセカイをどうぞ宜しくお願いいたします。