メンバーイラスト制作インタビュー「妖蔓延る京ガチャ」
Colorful PaletteがSEGAと協業で贈る「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」では、周期的にイベントにあわせたガチャが開催されています。
今回は2023年7月に開催された「妖蔓延る京ガチャ」のメンバーイラストについて、制作を担当したイラストチームにインタビューしました。
※一部カードストーリーの内容が含まれています。未読の方はご注意ください。
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チーム紹介
コンセプト・構図
今回のイベントでは、類たち2年生が修学旅行のため京都を訪れました。学生らしい彼らの装いを活かしつつ、京都の「和」の雰囲気を大切に描きました。また、ストーリーに登場した「百鬼夜行パレード」から連想し、イラストの中にもキャラクターに合わせた妖怪が登場しています。どこか奇妙で妖しい雰囲気のイラストを楽しんでもらえたら嬉しく思います。
類は、特訓前のイラストではクラスメイトの中心で嬉しそうな笑顔を見せていました。特訓後のイラストでも、それを連想させるかのように、たくさんの妖怪に囲まれています。類が今回のイラストの誰よりも賑やかな場所にいるのは、彼が旅行で感じた「たくさんの友達の輪の中で過ごせて楽しかった」という気持ちが反映されたからかもしれません。
妖怪はタッチを変えて墨絵のような雰囲気を出したり、アウトラインの線を印象的に描くことで“この世のものではない”雰囲気を演出しました。
司は、神社の境内で不敵な笑みを浮かべて立っています。役者として様々な役に“変化”をする司は、同じく“変化”が得意な妖怪と気が合いそうだと思い、狐や狸の妖怪と共に描きました。彼が演じる役の幅広さや、これからの変化の可能性を表現したいと思い、並んだ3人の纏う雰囲気や制服の着こなしはあえて大きく差異をつけています。色味のコントラストを強くすることで、夕暮れ時特有のどこか不気味な空気を表現しました。
雫は、座敷童と寝転んでいる様子から、懐かしさや柔らかさのある印象にできるよう温かな色味を用いて描きました。また、これまでとは一味違った、彼女の“雅さ”や“色っぽさ”も感じて頂けるイラストにしたいと思い、しなやかなポージングや、指先まで含めた細かな仕草、視線の向け方といったひとつひとつのディティールを美しく見せられるよう意識して制作しています。光と影のコントラストを強めることでどこか妖艶な雰囲気を纏うイラストに仕上げました。
衣装
今回は修学旅行を通してみんなの学生生活が垣間見れるイベントストーリーでした。ですので、これまでで一番“学生らしさ”を感じられる衣装にしたいと思い、シンプルでスタンダードな学生服を仕立てました。妖怪をモチーフに取り入れた、妖しい雰囲気のカードに合うよう、全体的にモノトーンカラーと落ち着いた色味の差し色でまとめました。
類は、ブレザースタイルの制服とローファーを身に着け、全体的に綺麗めなコーディネートでまとめました。普段からカジュアルな着こなしが多い彼は、今回の衣装でも、ゆるめに締めたネクタイや袖の長いカーディガンで、彼らしい着こなしを見せています。髪型はオシャレで爽やかな印象になるよう、襟足が短めなふわふわとしたマッシュヘアに整えました。
クラスでは学級委員を務める司は、真面目さや実直さが感じられる装いにしたいと思いました。詰襟スタイルの衣装で、眼鏡や名札といったアイテムを身に着けています。首元は少しゆとりをもたせ、足元にはハイカットのスニーカーを採用することで、等身大の学生らしい快活な雰囲気も残しました。髪は少し幼い印象を残したいと思い、丸いシルエットになるようにやや重めにまとめています。
雫は、“文学少女”を思わせる知的でミステリアスな着こなしを目指しました。無彩色を用いたシンプルなセーラー服をベースに、スカートの丈やソックスの長さで肌の見える範囲を調整することで、真面目で大人っぽい雰囲気を出せるように仕立てました。普段の彼女とのギャップを感じてもらいたいと思い、髪型は襟足をハネさせたショートボブヘアです。
背景
今回はストーリーに出てきた「百鬼夜行パレード」に関連して、イラスト内にも妖怪をたくさん描きました。そのシチュエーションを活かし、背景もエッセンスとして怖さや不気味さが垣間見えるようにしたいと思い制作しています。また、今回の舞台である京都ならではの「和」を感じられる場所やアイテムを選ぶことで、雅な雰囲気を感じられるように仕上げました。
瓦屋根の上に乗った類の眼下には、京都のような街並みが広がります。和風の建物が並ぶ中、少し異世界感を感じる要素をプラスすることで、ファンタジーチックに仕上げました。逢魔が時の時間帯ならではの妖しい雰囲気を演出したく、他2枚よりも少し陽の落ちた時間帯を想定し、赤や紫を多用しています。妖怪で隠れしてしまっている部分の背景も描いており、この背景をほんのり妖怪に透けさせることで、不思議な印象のイラストになるよう制作しました。
司は、背後に立つ2人の影や、変化の際に舞った葉っぱなどの要素をしっかり見せたいと思い、構図のかっこよさを活かせるように背景の配置を模索しました。また、手前と奥で視点の位置を変えていたり、画面が外側に広がって見えるよう左右の石像をななめに立たせていたりと、画面全体であえて小さな歪みを出すことで、どこか奇妙な感覚が残るように仕上げています。
雫は、京都の町屋の部屋をイメージした場所を描きました。畳のサイズを京間に合わせて広めに描いたり、紅葉や桔梗といった日本で古くから親しまれている植物を手前に配置することで、京都の「和」の雰囲気を演出したいと思いました。他2枚と比べて雫だけが室内のイラストでしたので、夕方に差し込むふんわりとした光の感じを大切に、柔らかさを感じられるように仕上げています。
さいごに
普段のプロセカのイラストとはまた一味違う、まるで別の作品のような不思議で妖しい雰囲気を楽しんでもらいたいという思いで制作しました。それぞれのイラストに描かれた妖怪は、キャラクターに合わせて選んだものも多いので、そこに注目してもらうと新たな発見があるかもしれません。
ただ怖いだけではなく、みんなが妖怪とも友情を育んでいるような、今回のイベントならではの青春感も感じて頂けるイラストになっていたら嬉しく思います。
引き続きプロジェクトセカイをどうぞ宜しくお願いいたします。