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Colorful Palette採用イベントレポート「アニメ美術経験者に聞く、転職のウラ側」

こんにちは!
Colorful Palette広報ライターのたじまゆです。

Colorful Paletteでは、2023年5月7日(日)に“アニメ美術経験者”の方を対象にしたオンライントークセッションイベントを行いました。

Colorful Paletteの背景チームは、アニメ業界からゲーム業界にキャリアチェンジしたメンバーが多数います。
今回のイベントでは、実際に経験したメンバーだからこそお伝えできる、アニメづくりとゲームづくりの違いや転職のきっかけ、ゲーム作りの魅力といった内容をお話ししました。
この記事では、ご好評頂いたイベントの内容についてお伝えいたします。

▼背景チームの仕事についてはこちらでも詳しくご説明しています。
 ぜひご覧ください。


背景イラストチームの仕事とは?

Colorful Paletteでは各プロジェクトごとにイラストチームがあります。
今回は「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(以下プロセカ)を例に、簡単に仕事内容をご紹介しました。
背景チームの仕事は、大まかに分けると4つの業務内容に分けられます。

カード背景…ゲーム内で手に入れることのできるカードの背景全般を担当。家具や小物といった空間におかれたアイテムのデザインも行う。

シナリオ背景…ゲーム内のストーリーパートで表示される背景を描く。キャラクターの部屋からファンタジーな世界まで、イベントのコンセプトによって幅広く制作を行う。プロセカでは、周期的に開催されるイベントごとに1~2枚ほど新規の背景が追加されている。

ステージデザイン…ゲーム内で行われるライブシーンのステージデザインを行う。イベントに紐づくライブが多いため、その時のストーリーやキャラクターの心情に合わせたデザインが求められる。

エリアデザイン…プロセカではホーム画面でSDキャラクターが動き、会話を行う「エリア」が表示される。このエリアの背景を描くのも背景チームの仕事。

トークセッション「アニメからゲームへ!転職のウラ側」

続いて、実際にアニメ業界からゲーム業界にキャリアチェンジしたメンバーによるトークセッションを行いました。

Oさん:新卒でアニメ業界に入社。7年ほど勤務をした後、ゲーム業界へキャリアチェンジ。プロセカの開発初期から背景イラスト制作に携わる。
Kさん:新卒でアニメ会社に入社。その後ゲーム会社・別業界の会社を経験し、Colorful Paletteは4社目。2020年よりプロセカの制作にジョインし、様々な背景イラストの制作に尽力。

Q.アニメ業界からゲーム業界に転職したきっかけは何ですか?

Oさん:元々ゲームが好きで、学生時代にはゲーム業界への憧れがありました。ただ、当時はゲームといえばコンシューマーゲームがメインで、私の作っていたポートフォリオは業界にマッチせず全落ちしたんです。
それでも「絵を仕事にしたい」という気持ちが強く、学生課等に相談してアニメ業界の求人を見つけました。運よくそこで内定を頂き、7年ほど勤務しました。
ですがやっぱりどこかでゲーム業界への憧れがあったんです。ソーシャルゲームが流行ってきた時期に、アニメの知識を活かしながら自分がマッチできるところがあるのでは?と考え、思い切って転職活動をしました。

Kさん:私は大学が元々美術系だったので、Oさんと同じく「絵を書くことを仕事にしたい」という気持ちがありました。昔からアニメに慣れ親しんでいたので、アニメ業界を希望しました。実際に働くと仕事はとても楽しくて充実感があり、2年くらい勤務しました。
ただ、アニメは画面が早く切り替わるので自分のイラストを見てもらえる時間が短いんですね。手をかけて描いたイラストでも、視聴者さんの目に留まるのが長くても十数秒くらい。自分の絵をもっと見て頂きたいという気持ちが強かったので、長い時間見てもらえる業界ってどこだろう?と考えたときにゲーム業界が浮かび、転職を決めました

Q.アニメとゲームの絵づくりはどんなところが違うのですか?

Oさん:アニメは原図というものがあり、レイアウトを事前に切ってあることが多いんですね。ゲームは原図がないに等しいので、自分で1から考えていく必要があります。

Kさん:あと、アニメの絵は美術設定に準拠して描いていくことが多いと思うんですが、ゲームではあえて絵として嘘をつくこともあります。例えば弊社でいうと、設定上はライトが6つあるけど、1枚絵として見たときに4つの方がライティングが映えるなと思ったら、ライトを減らしてしまう。その時の見栄えを優先するし、その裁量も持たせてもらえる、そういう自由度の高いところがあります

Oさん:いい意味で柔軟っていうんでしょうか。このイラストキャラは、こっち側に立ってた方が収まりよく映えるな、って時にはキャラチームに相談しにいったり。“皆でつくる”感覚はゲームの方が強いですね

Kさん:アニメ業界も美術監督とやりとりすることはあったんですけどね。

Oさん:撮影の方に色味の相談をしたりもしましたね。でも絵作りから皆で話し合って……というのは中々なかったです。

Q.アニメ業界からゲーム業界に転職して苦労したことはありますか?

Oさん:IPを扱ってるゲーム会社に転職し、自分のスキルを活かせるところに転職したつもりでしたが……最初はレイアウトが自分で全然切れなかったですね。こんなにできないのか、とショックを受けました。

Kさん:ゲームの絵は、純粋な画力というより、画面の構成力が問われるんですよね。

Oさん:配置とか、構図の絵作りとか、視線の流れとか、そういうものですね。当時は全然意識できなくて。

Kさん:カードイラストだと、メインはキャラクターなので「いかにキャラクターが引き立つか」を意識する必要があるんですが、そんな風に“配置まで考える”っていうのはゲームならではだったと思います。

Oさん:当時はコンセプトアートや様々な絵を模写したり、レイアウトを叩きこんだり、先輩に話を聞きに行ったり、泥臭く修行をして慣れていった感じです。

Kさん:この泥臭い努力っていうのは、アニメ業界でスキルを積んでいくのと共通するところではあるんですけどね。私はアニメ業界でも「スケッチした方がいいよ」とか、よく言われてました(笑)

Oさん:自然物のスケッチとかね。私もよく言われてました(笑)あとは前述したこととも少し重なりますが、アニメ会社はあまり人と話さないで制作を進めていくパターンが多いんですが、ゲームだと色んな人と話しながら進めていきます。

Kさん:キャラクターの心情や絵作りの方向性など、1時間以上かけてすり合わせをすることもあります。フィードバックが色んな人からもらえる分、「自分の描いたこの絵はこれでいいのかな」って悩むこともありますね。その分、試行錯誤を重ねて最終的に納得できる1枚ができた時には、とても達成感を味わえます。

Q.どんな人がゲーム業界に向いていると思いますか?

Oさん:色々なものに興味のある人は向いてるんじゃないかなと思いますね。最新の食べ物とか、新しい商品とか。

Kさん:それでいうとOさんはめっちゃミーハーですよね(笑)

Oさん:(笑)

Kさん:スタバの新作とか、新しいものができたっていう情報にすごくアンテナを張ってる。自分で考えることが多いゲームイラストを描く上では、「今の10代の子はどんなものが好きなのかな」「何が流行っているんだろう」という情報を自分から拾うことはとても大事だと思います。

Oさん:流行に興味がないと、少しずつ感覚が世の中とずれていっちゃうんですよね。スピード感をもってリリースする必要があるゲームだからこそ、流行りを知っておくというのは1つのポイントとしてあるかもしれません。

Kさん:加えて、色々なことやたくさんのワードを知ってるということも、とても業務には活かされますね。私たちは、イラスト制作に入る前にまず資料収集をするんですが、見たことがあるけどよく知らない、といったものが意外と多くて。

Oさん:そうですね。自分がそれを検索するためのワードを持っていないと、うまく参考資料を探せなかったりするんです。

Kさん:あとは、あくまでもユーザーさんに喜んでもらうために作っているものになるので、ユーザーさんの視点をちゃんと取り入れられる人も向いてると思います。社内でも「それって本当にユーザーさんが喜ぶこと?」というフィードバックが来ることはよくあります。自分の携わっているコンテンツ・キャラクターにしっかり興味を持って向き合っていくという姿勢はとても大事な気がします。

Oさん:大事です。あと、話は変わりますが…Kさんはコミュ力がすごいんですよ。

Kさん:(無言で首を振る)

Oさん:ほんとにすごいんです(笑)気が付くとほとんど業務上は関りがない人とも和やかに話してたり。

Kさん:光栄です(笑)

Oさん:色んな人と関わって制作をしているので、こういうコミュニケーションを円滑にできる力も武器になると思います。

Q.転職活動で、ポートフォリオには何をいれるべきでしょうか?

Oさん:あくまで自分たちが見る場合には、ですが……弊社のコンテンツは絵柄が幅広いので、絵柄のバリエーションが分かるよう、幅広く作品を入れてもらえると有難いです。

Kさん:アニメだと他の作品にヘルプに入って、その際にガラっとタッチが変わることもありますよね。そのタッチの幅をそのまま入れてもらえるといいんじゃないかなぁと。

Oさん:弊社だとアイドルのステージデザインなどもあるので、可愛い小物のデザインとかも入っているととても嬉しいです。あと皆さん、完成した絵を載せてくれるんですが、制作途中のイラストでも全然いいので載せてほしいです。美術監督が手を入れる前と手を入れた後の差分とかも。そういう制作過程が見えるものがあると参考になります。

Kさん:フィードバックに対してどれくらい対応する力があるのかが見えやすいですもんね。逆に完成品のみの中で、絵のクオリティにかなりバラつきがあった場合、どれかには他の人の手が入ってたりするのかな?という懸念があり判断に迷ってしまうこともあります。

Oさん:あとは、オリジナル作品やデッサンを入れてくれる方もいるんですが、それも参考になります。

Kさん:スケッチがお好きな方だったらそれを入れて頂いても、ポートフォリオが豊かになるかなと思います。

Q.どんな人が応募してくれたら嬉しいですか?

Oさん:カラパレの背景チームは、雑談や仕事の相談など、とにかくよく話をします。意見交換を気兼ねなくできるのがカラパレ背景チームのいいところでもあるので、それを楽しめる人が応募してくれたら有難いなと思います。

Kさん:あとは、皆でつくり上げる文化があるため、フィードバックがたくさん返ってきます。それをポジティブに捉えて、制作物に反映できる人は向いてるんじゃないかなという印象があります。

Oさん:私も最初は「こんなに意見が集まるんだ」ってびっくりしました。でも、勉強になる意見がたくさんあって、自分の引き出しだけじゃ出てこなかった意見・価値観が集まるので世界が広がる感覚もあります。

Kさん:あとは、自分で色々試したいと思える方もマッチするんじゃないかな。ゲームイラストは最初のラフと最後の完成したもので結構絵がガラッと変わることがあるんですよね。

Oさん:こうした方がもっと絵のパワーが出るんじゃないか、みたいなやりとりの中で変わっていく感じですね。

Kさん:絵の最終工程を担ってくれるのはキャラチームなんですが、そのキャラチームと一緒にどうしていくか話をしていく中で「こういうのどうですか」と自分の意見をプラスオンできる方は強いかなと思います。

Oさん:そういう時、引き出しが大事だなと感じます。

Kさん:引き出し大事ですね。私もカラパレに来て、より色んなものを見るようになったなと思います。映画や音楽や展示など…。

Oさん:確かに、私もそうですね。あと、結構みんな漫画とかアニメとかオススメのものを熱量高く勧めてくれるのもあって、私も見てみようかなと思うものが増えましたね(笑)

イベントを終えて

今回はColorful Paletteでは初のオンラインセッションイベントでしたが、当日はたくさんの方にご参加頂きました。
1時間という短いお時間の中ではありましたが、少しでも皆さまの参考になることがありましたらとても嬉しく思います。

事後アンケートでは、「アニメとゲームのイラストの違いに驚きました」「ゲームイラストづくりの裁量の大きさに魅力を感じました」「コミュニケーションを大切にしている様子が印象的でした」といった、たくさんの感想を頂きました。

実施後満足度調査の結果は4.9(5段階評価)と高い評価を頂き、スタッフ一同、感謝の気持ちでいっぱいです!
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

Colorful Paletteでは、今後もオンライン・オフライン問わず様々なイベントを開催していきます。
随時コーポレートサイトやColorful Palette公式Twitterでもお知らせしますので、興味のあるものがございましたら、ご参加頂けると嬉しく思います。


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