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「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」の譜面の進化とこだわり


はじめに

この記事は Colorful Palette アドベントカレンダー 12/24 の記事です。
こんにちは、株式会社Colorful Paletteで譜面デザイナーをしている "シャワー" と "エアコン" です。
2人で書くアドベントカレンダーは今日だけらしいです。たしかに珍しいかもしれないですね。

「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(以下、「プロセカ」)を日常的にプレイされている方は、もしかしたら、最近のプロセカの譜面について変化を感じてくださっている方もいるかもしれません。

そこで、本日はプロセカの「譜面」について、どのように考えて作られているか、そして意外と気づかれていないアレやコレの譜面のネタ紹介まで、たっぷりお伝えしていきたいと思います。


そもそも、譜面デザイナーって何してるの?

譜面デザイナーはプロセカにおける「譜面」、ユーザーさんがリズムゲームで遊ぶ楽曲の旋律、リズム、歌詞、そして楽曲に込められている想いをノーツを使って表現することで、その楽曲の魅力を引き出し、ユーザーの皆さんが「楽しい」と思える譜面をつくる仕事です。

3周年を迎え、プロセカには370以上の楽曲が実装されており、譜面の総数は実に1800譜面を超えています。
そして、3年という月日を経て、プロセカの譜面は様々な変遷を遂げています。


プロセカの譜面の変遷 これまでとこれから

プロセカの譜面は、よりよいゲーム体験を生み出すために常に変化しています。
ここからは私エアコンから、譜面制作の際に意識していることをさまざまな視点からお伝えできればと思います。

プロセカの譜面デザイナーは、
 「曲に合った表現の豊かさ、楽しさ、気持ちよさを追求し、感動を提供する」
といった理念にのっとって譜面を制作しています。

プロセカの譜面制作で意識していることとして、以下のことがあります。
 「こだわりの演出表現」・・・MVや歌詞に合わせた見ているだけでも楽しい譜面
 「アーケードライクな本格的な譜面」・・・幅広い層にやりごたえを提供
 「ノーツの種類の使い分け」・・・楽曲のアクセントに合わせて異なるノーツを使い分けられる

プロセカでは、このゲームならではのプレイの気持ちよさ、爽快感を重視して譜面を作っています。

  • より直感的な配置へ

プロセカの譜面は、誘導やプレイ感を丁寧に考えています。
複雑な動作だけでなく、シンプルな構成でも難易度を高められるようにすることで、より気持ちよさを感じてもらえる譜面づくりを意識しています。

具体的には、主にこのようなことを意識しています。
  ・片手で素早い2連打が含まれる配置は、効果的なところで使う
  ・方向指定フリックは、基本的に自然に動かす方向へ振り払えるように
  ・どちらの指で入るか分かりやすく配置する
  ・認識の難しさをコンセプトにする場合は段階を踏んで上手く誘導できるように
  ・ロングノーツ終点のみの配置は、「離す」動作が音に合っている場合のみ配置

徐々に縦連打に誘導する配置
  • 隔たれていた各難易度帯の格差を埋める

プロセカでは、難易度を区別するために、それぞれの難易度で配置のルールが決まっています。
例えば、HARDまでの譜面では右手と左手で別々の動きをさせる配置はあまり多くは出てきませんが、EXPERT以上ではそのような配置が当然のように出てきます。
そのため、「HARDはフルコンできるのにEXPERTはクリアも難しい…」という感覚を持たれた方もいたかもしれません。
そこで最近では、1つ上の難易度帯に出てくる配置を、簡単なものから少しずつ練習できるように配置をしています。
少しずつ上位の難易度も練習できるように調整していますので、是非チャレンジしてみてくださいね。

  • 各難易度に合わせた音の取り方へ

元々プロセカは、バーチャル・シンガーやキャラクターたちが歌を歌うゲームなので、
譜面は歌詞の音に合わせて制作することが多かったのですが、より幅広い楽曲や譜面が受け入れられている現在では、歌唱のみではなく、伴奏の音に合わせたリズムも積極的に取り入れています。
取る音を変えていることで、EXPERTよりもMASTERの方が実は簡単な箇所があったりすることも。

「NEO」EXPERT譜面の落ちサビ部分
「NEO」MASTER譜面の落ちサビ部分
  • プレイスタイルの多様性に対応

プロセカは、端末を手で持ってプレイする方、置きプレイやタブレットで遊ぶ方、さまざまなプレイスタイルで遊ぶユーザーさんがいますので、どのスタイルでも楽しんで頂けるよう譜面を制作しています。

また、3周年ではユーザーの皆さんに新しいリズムゲーム体験を届けるため、基本的に2本指で遊べるEASY~MASTER譜面とは違い、多本指を必要とする別枠の難易度「APPEND」を追加しました。

APPEND譜面では、今までのプロセカになかった配置、具体的には、3本指以上を使う配置、指が交差するような配置など、端末を机などに置いてプレイする前提の譜面を遊ぶことができます。
MASTER譜面までの配置ではできなかった新たなロングノーツや、速度変化による表現、そして多本指を使うことによる新たなプロセカの楽しみ方を体感して頂けましたら幸いです。

「NEO」APPEND譜面

ピックアップ!譜面デザイナーの"こだわり"

ここではシャワーが、プロセカに実装されている譜面の中から、譜面デザイナーのこだわりポイントを紹介します!
様々な仕掛けを施しているので、遊ぶ際には注目してもらえたら嬉しいです。

「いちにのさんで」

ゆったりとしたテンポの楽曲で、初心者でも遊びやすい譜面になっています。
EASYが123コンボであることに気づいた人はもしかしたらいらっしゃるかもしれませんね。
しかし実はこの楽曲、EASYからMASTERまで、すべての譜面の123コンボ目のノーツだけが大きいクリティカルノーツになっているのです。
是非探してみてくださいね。

よくよく見ると1個だけ大きいクリティカルノーツが!

「相生」

こちらも難易度低めで遊びやすい譜面になっています。
「これからも宜しくね 少しだけ恥ずかしいんだけど」という歌詞があります。
MASTER譜面、その歌詞の部分をよく見ると、ロングノーツも恥ずかしがっています。//
特徴的な音にマッチした部分が多いので、楽曲の"音"を感じながら遊んでみてください。

シンプルな配置ですが、実はネタだったり。

「演劇」

サビで一気に感情が高まる楽曲なので、その部分の動きを強調した譜面展開を付けています。
また、EXPERT以上の譜面ではクリティカルノーツの刻み方にもこだわっています。一定の間隔で鳴る低音や、中盤のストリングス、サビのスネアなど、刻む音の種類での展開の移り変わりをお楽しみください。
アウトロではサビの後の余韻を感じられるよう、ノーツを敢えて配置していません。

是非、3DMVと一緒にお楽しみください!

「キラピピ★キラピカ」

楽曲の序盤、
『えーっと、わーって遊んで、ぱくーって食べたら、らららーって歌いたい―』
と、印象的なセリフのパートがあります。

EXPERT譜面の該当箇所をみてお気付きの方もいるかもしれませんが、

EXPERT譜面の該当箇所

これ、実はそのセリフの波形をスライドで表現したものです。

この部分は、セリフを集中して聴けるように、タップなどの操作を必要とするノーツを置いていません。

また、MASTER譜面では、この波形の形をしたロングノーツをとても速い速度で流すことによって、この部分の演出ができています。(とはいえ、波形をそのままの形で持ってきてしまうと譜面が元気になりすぎてしまうので、少し緩やかにデフォルメしています)

「Beyond the way」

疾走感が感じられるこちらの楽曲。EXPERT、MASTER譜面は3周年から追加された「トレースノーツ」の使い方を模索した譜面になります。横にシャッ、シャッ、とフリックみたいにしてみたり、ロングノーツみたいに置いてみたり、ロングノーツを跨がせてみたり…。
3周年以降の譜面は、トレースノーツの練習になる譜面を多く取り揃えていますので、最近プロセカに追加された楽曲も、是非いろいろ遊んでみてくださいね!

トレースノーツの配置。かっこよく決めましょう!

「チームメイト」

MASTER譜面、イントロのロングノーツはペンライトを持って、いわゆる「ささげ」の動きのイメージで遊んでいただけたらと思います!その他にもこの楽曲の譜面は、16分の交互配置や縦に並んだ配置を気持ちよく叩けるようにしていたり、結び目の形をしたロングノーツのディテールにこだわったりと、趣向を凝らしています!プレイする際は曲のリズムにノリノリで叩いていただければ幸いです。

結び目の形にこだわってます。

「プロセカ」譜面の小ネタ紹介コーナー!

「新人類」EXPERT譜面
サビでウッホウッホッホできます。めざせ新人類。
全体的に配置の爽快感にこだわっているので、少し難しいですがチャレンジしてみてくださいね。

「HERO」EXPERT譜面
大サビ前の部分、実は「HERO」が暗号として隠れています。探してみてください!

「インタビュア」EXPERT、MASTER譜面
"歌詞通りに"「」(かぎかっこ)が付いています。
MASTER譜面の「?」の形のノーツにも注目です。

「リンちゃんなう!」HARD~MASTER譜面
「リンちゃんなう!」の部分は全部黄色です。なんならEASYとNORMALも黄色多めです。
MASTER譜面に関してはネタロングノーツの量が凄まじいですね。

「命ばっかり」MASTER譜面
「口先だけじゃ いや」の部分、意味深に色が変わる左のタップノーツと右のロングノーツ…
何かを表現しています。探してみてくださいね。


全部知っていた方は、プロセカ譜面知識王です。すごい。
今後もたくさん、遊び心を入れながら楽しい譜面を作っていきますので、是非、こういったこだわりを探しながら遊んでみてください。


おわりに

いかがでしたでしょうか。
プロセカの譜面に込められたこだわりと想いが伝わりましたら幸いです。

今後もユーザーの皆さんに楽しんで頂けるよう日々アップデートしていきますので、これからも沢山遊んでくれたら嬉しいです!