【おしごとパレット】ライブチーム:「ライブ」を通じて、お客様に最高の時間を届ける仕事
ゲームづくりには数多くの人が関わっており、それぞれの技術やアイディアをかけ合わせて1つのゲームを制作しています。【おしごとパレット】では、そんな数あるColorful Paletteの仕事の一部を紹介していきます。
今回は「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(以下プロセカ)のライブ制作に携わる、ライブチームの仕事内容やこだわりについて取材しました。
ライブチームのミッション
Colorful Paletteのライブチームのミッションは、「ライブを通じてキャラクターや楽曲の魅力を最大限引き出し、お客さまに最高の時間を提供すること」です。ファンの方に自社のコンテンツをより好きになってもらったり、長く好きでいて頂くために、現状に満足せず更なる感動体験を届けつづける必要があると考えています。その感動体験のひとつとして、「ライブ」というものが持っている力を私たちの力で増幅させて、お客様に最高の時間を届けたいという思いです。
それを達成するためにライブチームが大切にしていることはいくつかありますが、まずは流行に広くアンテナを立てることです。企画やアイディアも大切ですが、ライブに関わらずエンタメ業界全体に広いアンテナを張り、良い物や面白い物をインプットし続けることが大事だと思っています。良いと感じたものを自分の引き出しに入れて、いつでもアイデアが出せるようにすることを大切にしています。
また、ライブという多くの人が関わって初めて開催できるものをつくり上げるには、各セクションや協力会社さんとの関係性の構築など、丁寧なコミュニケーションを続けていくことも大切になります。それぞれが最高のクリエイティビティを発揮できるよう、円滑な制作進行や段取りが行えるよう努めることも重要視しています。
そして何よりも大切にしているのが、「プロセカやそのキャラクターたちを愛し、自分たちが楽しんで仕事をすること」です。ユーザーさんに楽しい時間を届けるはずの私たちが、辛い気持ちで仕事をしていては決していいものは生まれません。常にポジティブに仕事ができるよう、チーム全体で目線を合わせて取り組んでいます。
何年経っても、ファンの方が何歳になっても、昨日のことのように周りに話したくなる。そんな風に、ユーザーさんの記憶に残り続けるライブを作っていきたいと考えています。
ライブチームの仕事内容
Colorful Paletteのライブチームでは、自分たちでライブの根幹を手掛けることで、クオリティの高いものづくりを実現したいと考えています。そのため、ライブのコンセプトやセットリストの策定など、「どんな体験をして欲しいか」を定めるところから始まり、全体のプランニング・ディレクションや進行を行っています。その他にも、収支管理やライブに必要な機能開発のための仕様書作成、現地会場での監督など、仕事の種類が多岐に渡るColorful Paletteのライブチームですが、主な仕事は大きく分類すると4種類です。
1.ライブイベントの企画やキャスティング
プロジェクトセカイのライブイベントの形式は多岐に渡ります。アプリ内で実際のライブのようなリアルタイムの掛け合いやMCを楽しめる「コネクトライブ」※1。コンサート会場でプロジェクトセカイの曲を演奏するリアルイベントライブ「COLORFUL LIVE」※2。その他にも、プロセカの楽曲たちをオーケストラとスペシャルバンドで演奏するコンサート「セカイシンフォニー」や、周年の節目にリアルステージイベントとして開催される「プロセカ感謝祭」など、ゲーム内実施やオフライン実施を問わずさまざまなイベントが開催されています。ライブチームは、これらのライブイベント全ての企画立案やキャスティングを行っています。企画を考えるにあたっては、「ユーザーさんの期待値を超えられる企画か」といった観点は常に大切にしています。ユーザーさんの期待値が100だとしたら、最低ラインを101に設定し、常に「最高」をアップデートできるように心掛けています。
2.ライブの仕様作成と進行、ディレクション
ライブの演出、MC台本、音響や照明、アプリ内の必要機能開発の仕様作成など、ライブの仕様全般の策定やディレクションを行います。
前項で定めたライブのコンセプトを軸に、どんなセットリスト(曲目の流れ)ならユーザーさんに最高の体験をしてもらえるか、そのために効果的な演出はどんな見せ方かを、細部まで妥協せず詰めていきます。
様々なライブ形式があるため、ライブによって考慮するポイントが多岐に渡るというのが難しいところです。たとえば、アプリ内で開催される「コネクトライブ」は、キャラクターがリアルタイムでライブ演奏を行ったり、ユーザーさんからのコールに答えてコメントを行います。アプリで配信するライブではありつつ、本物のライブに近い形での運用となるため、キャストさんの都合や当日の現場の取りまわしを想定しておかなくてはいけません。それぞれのライブに合わせて細かい部分まで思考して仕様をつくっていくのは、大変ではありつつもやりがいのある仕事です。
また、仕様作成はこのあとの流れに大きく関わる大事な工程となるため、この段階でちゃんとお客様の期待値を超えられているだろうか、ということは改めてチームで何度も検討します。ここでのビジョンがメンバー全員としっかりすり合わせができているかはクオリティに直結するので、特にコミュニケーションは密に取るよう注意して進行します。
3.現地会場やスタジオなどでの進行と各所との調整
ライブ開催当日やスタジオ収録時のディレクションを行います。
この段階になると準備は大方整っている状態になるため、キャストさんには情報を正しくスムーズに伝え、楽しんで最高のパフォーマンスを出してもらうことを一番に考えながら全体をディレクションします。
また、ライブや収録ではキャストさんの他にも、音響や照明、会場の案内等多数のスタッフさんにご協力いただきます。そのため、常にあらゆるセクションでトラブルや困りごとがないか気を配りながら、皆さんに気持ちよくご協力いただけるよう、各所で調整を行います。
4.収支管理、制作・開発方針策定
ライブの開催は継続的な開催を視野に入れて、企画立案を行う必要があります。そのため、中長期的な期間を見据えての収支管理や、制作・開発方針を策定することも、ライブチームの大切な仕事のひとつです。
ライブで最高の体験を提供し続けるためには、毎回のライブ自体のクオリティを追求することはもちろん大切です。しかし、それと同じくらい結果として出てくる売り上げやお客様の満足度、動員数といった数字と、ある程度シビアに向き合う必要もあります。
今後に向けて力を入れる部分や、逆にコストカットする部分など、取捨選択の方針をチームで話し合って決めていきます。ライブの結果となる数字は、解釈を間違えると全く正解と異なる結論に向かってしまうため、感情を必要以上に反映させず、論理的に考えるように気を付けています。
1日の流れ
Colorful Paletteのライブチームメンバーはどのような1日を過ごしているのか?
Wさんの1日の流れをご紹介します。
深掘り!メンバーインタビュー
ここからはライブチームのメンバーにインタビューを行いました。
<プロフィール>
Wさん:新卒採用でサイバーエージェントグループに入社。2019年からColorful Paletteで就業。制作進行やスクリプターといった職種を経験し、現在はライブチームでライブプランナーとしてイベントの企画立案やキャスティング、仕様の作成に携わる。
Tさん:中途採用で2022年に入社。リアルライブやコネクトライブといったライブ全般の制作進行を担当。スケジュール組みや社内外の調整・折衝を行い、ライブ開催に向けてのスムーズな進行を支える。
Iさん:中途採用で2022年に入社。ライブディレクターとして「コネクトライブ」における企画制作とディレクションを担当する。
Wさん:
私はライブイベントの企画立案やキャスティング、仕様の策定を担当しています。
どんなライブにするかのコンセプトが決まった後、セットリスト(曲目の流れ)の制作や、ライブ中のMC内容の考案、会場の展示装飾、パンフレットやプロモーションにいたるまで、ライブに関わる部分はなんでもやるポジションです。企画を考える時は、来てくださるお客様に何か1つでも嬉しいサプライズを届けたい!という気持ちで取り組んでいます。実際にライブが開催されて、お客様が心から楽しんでくださっている様子を端からこっそり覗かせていただく時が、1番達成感を感じられる瞬間です。お客さまの嬉しそうな表情を見た時に、とてもやりがいを感じます。準備期間の長いライブだと1年くらい前から準備する時もありますが、その分当日開催できたときの喜びも大きく、また次も頑張ろうと思えます!
Tさん:
「COLORFUL LIVE」などのリアルライブや、「コネクトライブ」と呼ばれるバーチャルライブなど、ライブ全般の制作進行を担当しています。私の役割は、社内外のメンバーと密に連携しながら皆のスケジュールの段取りを決めることです。お客様の期待値を超えるライブを実現する為に、本番日やリハーサル日を含めた全体のマイルストーンを決め、「いつ、誰が、何をしたら良いのか」を考えています。スケジュールをただ追いかけるだけではなく、最終的なアウトプットを想像しながら「これで本当に目的を達成できるのか」「他に良い進め方があるのではないか」と、全体を俯瞰する視野を持って考え続けることを意識しています。
やりがいを感じるのは、自分たちの届けたかったものがユーザーにしっかり届いたことが分かった時です。例えば、ライブが終わった後、SNSでユーザーさんの感想やファンアートを発見したり、会場から帰るユーザーさんが感想を言い合ってる姿をお見かけしたり…そういった時に喜びを感じます。同時に、作り手側として思いもしなかった課題が見つかることも往々にしてあるので、「次回はそのポイントもケアしよう」と次につながるモチベーションのひとつになります。
Iさん:
私の主な仕事は、「コネクトライブ」における企画制作とディレクションです。「ライブを通じて、お客様にどんな体験を届けたいか」という視点からコンセプトを立て、具体的にどういった内容を提供すればその目標が達成できるのかを考えます。「今作っているものが要件をちゃんと満たしているか」という観点で、ユーザーさん側・制作者側の両方の視点で考えて判断します。最高のクオリティを目指すことはもちろんですが、時には工数やスケジュールも天秤にかけて、最適な道を選ぶ必要があります。また、ライブ当日には、キャストさんへの指示や、イレギュラーが発生した場合の対応方針決めなど、現場でのオペレーションの業務もしています。
Tさんと同じく、自分もライブが終わった後にSNSなどで「最高だった」「感動した」といったの嬉しい反応を頂けた時にやりがいを感じます。演出の中で考えていた「ユーザーさんに感じて欲しい」感情の意図に対して、それが伝わったと分かった時には開発者冥利に尽きる気持ちです。また、ライブが終わるとチームメンバーたちと毎回振り返りをしています。「ここすごく面白かったね」「次はこうしよう」と、次につながる話し合いをしている時間もとても楽しく感じています。
Wさん:
チームメンバー全員が、情熱とタフさを持ち合わせているところだと思います。ライブという、ユーザーさんとの一期一会の時間を最高のものにするために、できることはなんでもやろう、という気持ちで仕事をしています。時には納期や前例が目の前に立ちふさがることもありますが、それを言い訳にせず、「ユーザーさんに感動を届けたい」という達成したい目的に立ち返って、最適な形を探るようにしています。時には演出用の動画サンプルを作ってみたり、MC台本を声に出して読み上げて違和感を探してみたりと、より良いライブ体験づくりのために、日々試行錯誤しています。
Tさん:
全員がフラットな立場で意見をぶつけ合えるところだと思います。
これはライブチームだけではなくColorful Palette全体の社風でもあるのですが、ユーザーさんにとってより良いものをつくるという1つの目的に向かって、職歴やセクションに関係なく全員で意見を出し合う風土があります。肩書きや立場に囚われず、それぞれの軸を持った意見をぶつけ合うことで、より良いアイデアや進行の方法などをチームで見つけ出すことができます。そうして1つの目標に向かって、最高のライブを追求できることが、私たちの大きな強みだと思います。
Iさん:
メンバーそれぞれが、「自分はこうするのが良いと思う」という自分なりの考えを持っているのが強みです。ライブチームはイベントの立ち上げから進行、クロージングまでを一手に引き受けるため、企画内容を考える以外にも、段取りや各所との調整など、イレギュラー時の取りまわしなど様々なタスクがあります。そんな中、全てにおいてみんなが自分の意見を持っていて自律的に動ける状態にあるので、急な状況変化にも対応できますし、精度の高いアウトプットにつながりやすいと感じます。
Wさん:
ライブづくりにはたくさんの人が関わりますし、どんなに「こういうライブをしたい!」と意気込んだところで周囲の協力がなければライブは実現しません。そのため、ライブチームには周りのメンバーをポジティブに巻き込む力が求められると思います。
企画のアイディアを出すことはもちろん大切ですが、それ以上に、関わってくれる周囲の人たちから「一緒にいいライブを作ろう」と思ってもらえるような情熱と人柄をもっている方がより活躍できるのではないかと思います。
また、流行に敏感だったり、イベント好きな方は、この仕事をする上でアドバンテージになると思います。私自身、仕事半分・趣味半分ではありますが毎月何かしらライブやイベントに参加するようにしています。自分が実際に体験したことから良かった部分を学び、ライブの企画にも取り入れています。ライブの仕事は一見華やかに見えますが、実際にはひらめきやアイディアだけではなく、「お客様が何を求めているのか」「どんな演出にしたらもっと喜んでもらえるのか」を地道に考え続け、突き詰めていく根気も必要です。ひとつひとつのことに泥臭くこだわりながら、時には大胆にハメをはずすこともできる、そんな人と一緒に最高のライブを作っていきたいと思います。
Tさん:
ライブチームの仕事は、多くのメンバーと連携を取りながら進行する仕事ですので、円滑なコミュニケーションが必要です。そのため、「必要な情報を相手へ適切に伝えるスキル」は重要だと考えています。
どうやったら相手と自分の頭の中を一致させられるか、その伝え方は十人十色ですが、うまくいかないことがあっても腐ったり臆したりすることなく、相手と真摯に向き合い続ける誠実さや粘り強さを持っている方と、ぜひ一緒に働きたいです。相手の気持ちを汲み取り、安心させてあげられる方や、忙しい中でも電話やメールひとつひとつに丁寧に応対できる方は、私たちのチームで大きく活躍していただけると思います。
Iさん:
「関わる人全てに楽しんでもらいたい」という想いを持っていることが一番重要だと思います。ユーザーさんに楽しんでもらえることはもちろん、声優さんやモーションアクターさんを含めたキャストやスタッフの全員が、楽しんでライブをつくることが大切だと考えているからです。辛い顔でものを作っているチームからは絶対に良いものは生まれません。自分も含め、周囲のメンバー全員が楽しく仕事をし続ければ、最高のパフォーマンスを発揮したその先でユーザーさんに最高のライブを届けられると考えています。
また、Colorful Paletteのライブチームは、前例や既存のテンプレートにとらわれないライブ作りを重視しています。そのため、様々なエンタメに触れている方に来ていただけるといいなと考えています。ライブはある程度「楽曲とMC」というテンプレートがあると考えてしまいがちですが、常にアップデートや新しい体験を届けることを意識することで、その思い込みを打破できる分野でもあります。常に新しい切り口や面白い発想で、これまでにないライブ体験を作り出せる仲間と一緒に働きたいと思っています。
以上、Colorful Paletteのライブチームの仕事についてご紹介しました。
【おしごとパレット】では、今後もColorful Paletteの仕事を紹介していきます。
引き続きColorful Paletteをどうぞ宜しくお願い致します。