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2022年を振り返って【Advent Calendar 12/25】

はじめに

この記事は Colorful Palette アドベントカレンダー 12/25の記事です。
株式会社Colorful Paletteでマネージャー 兼 サーバサイドエンジニアをしているめりさです。

Colorful Paletteとして初の試みとなりましたアドベントカレンダーですが、いよいよ最後の記事となりました。
そんな最終稿ですが、マネージャー視点でのエンジニア組織について、年間スローガンや体制面、自身の学びを振り返るという感じで締めくくりとさせていただければと思います。
文字ばかりで華のない記事ではありますが、是非お付き合いいただければ幸いです!

2022年のスローガン

2022年ですが、「堅牢化」というスローガンを掲げておりました。
過去記事: Colorful Palette Tech Note 始動のお知らせ

堅牢化というスローガンを掲げた経緯からお話しますと・・・、上記の記事内にもありますが、2021年はプロセカとしても、ColorfulPaletteとしても攻めの1年となりました。
1年を通して様々な施策や取り組みを実施できた反面、組織的にもシステム的にもいろいろな課題が浮き彫りとなっており、それらの解消を目指して掲げたスローガンとなります。

エンジニア体制

2022年は体制面で大きな変化がありました。
まずエンジニアの人数ですが、2021年末時点では13名だったのが、2022年末(執筆時点)には26名に増員しました。
母数がまだまだ少ないとはいえ、単純に1年で2倍に増えたと考えると、かなりのペースだなと思います。
(因みに2020年末の時点では10名だったので、この1年の急上昇ぶりがわかります。)

もちろん、単純に人数を増やせばいいというものではないことは周知の事実かと思いますし、かくいう自分もチーム規模を大きくしすぎることに関しては懐疑的な考えを持つ人間です。
有名な米AmazonのCEOジェフ・ベゾスの2枚のピザ理論じゃないですが、自身の体感としても1チーム5~8人くらいで構成するのが一番効率的だと思っており、現状もその考えは変わっていません。今年は、そのあたりのバランスを変えたというのが、自分のエンジニア人生を振り返ってみても大きな転機の一つでした。

というのも、以前もお話したとおり自分自身この規模のサービスを運用するのは始めての経験ですし、サービスの規模が大きくなればなるほど、それに比例して想定していなかった様々なイレギュラーやアクシデントが発生します。
実際に2022年を振り返ってみると、1年の前半はそういった数々のアクシデントに見舞われ、てんやわんやしていたのが印象的です。
そういった状況の中、組織としてもどんどん規模を大きくしている最中でもあり、現状のチーム規模では遅かれ早かれ限界を迎えるなと思い、人員拡大を決断しました。

採用強化と権限移譲

人員拡大に向けて、採用の強化からスタートしました。
結果としては先述の通り、採用基準を緩めること無く1年間でエンジニア人員を倍までスケールさせることが出来たのは大きな成果だったと思います。
業界的にもエンジニア採用はどこも苦戦している印象がある中、こういった成果を出すことが出来た要因として大きく2つの要素があると思います。

1つ目の要素は、現場と採用チームの距離が近い事です。
Colorful Paletteは採用をかなり大事にしている会社で、1名の人材獲得に対してかなりのリソースを割きます。
それ故に、採用戦略におけるPDCAはとても早く、その日決まったことが当日中に実施されるような事もよくあります。
また、市場の動きもとても活発なので現場レベルでの採用ニーズも刻一刻と変化します。
そういった変化の早い状況の中、迅速に各所のニーズを吸い上げ実際の採用活動に落とし込めるというのはColorful Paletteの大きな優位性の一つだな、と強く感じました。

2つ目の要素は「組織づくりに関する感度が高い組織」ということです。
過去の記事でもあるとおり、Colorful Paletteのモノづくりはとてもディスカッションが盛んで職種を跨いでいろいろな意見が飛び交います。
その思想は組織づくりにおいても同様で、どうすれば良い組織になるかという議題も活発に議論がされてます。
それらを推進する施策も色々あるのですが、その中でも経営陣と毎日顔つき合わせてフリーアジェンダで会話する「ボードMTG」という取り組みがあります。
このボードMTGも人数制限はあるものの社員向けに参加者を公募しており、自分も立候補して参加しています。
議題は本当に多種多様なんですが、採用戦略の話題になることも少なくありません。
その中で印象に強く残っているワードとして、「本当に優秀な人材はいくら採用してもよい」というものがあります。
ワードそのものは特筆する程では無いと思いますが、その言葉の背景にある本質的な意図や前提となるコンテキストをすり合わせられる場として、ボードMTGは自分にとってとても良い取り組みでした。

そんな中自分が今特に強く意識するようになったことは「その人を採用することで今まで出来なかったことが出来るようになるか」という観点です。
ちょっとニュアンスが難しいんですが、単純に人手が増えることで出来る事が増える、という意味合いではなく、その人がいるから出来る、という感じです。
トップアップ、と言い換えても概ね齟齬は無いかなと思います。

そういった視点で面接に臨むと、自然とその人の長所はどこなんだろう?という意識で接するようになったり、この人が来てくれたら新たにこういうチャレンジが出来るようになるかも?といった考えが生まれるようになりました。

その結果起こった変化として、なにか大きなミッションをお願いする際に「この人だったらお願い出来るかも」といった感情ではなく「是非この人にやってもらいたい」といった感情を抱くようになりました。
自分は権限移譲や誰かに仕事をお願いするのがとても苦手な人間なんですが、この感情の変化により2022年はいろいろな仕事の分担や権限移譲が進み、結果的にそれぞれのアウトプットの質と量は大きく向上したと感じます。
また、そういった取り組みの中で組織としての技術戦略の策定と推進を実行するエンジニアボードの設立、技術広報チームの立ち上げ、プロジェクト横断で技術的課題に向き合う間接部門としてのエンジニア組織の立ち上げといった様々な取り組みを実施することが出来ました。
こちらの活動に関してはまた機会があれば取り上げられればと思います。

おわりに

自分がマネジメントを主軸としたのは2021年の後半頃で、2022年は丸々一年をエンジニアリングマネージャーとして試行錯誤した年となりました。
そんな最中、サイバーエージェントグループで毎年実施されているCA BASE CAMPにおいて「サイバーエージェント流エンジニアリングマネージャーの働き方」というパネルディスカッションがありました。

ゲーム業界を見渡しても、AIやNFTといった分野の技術を活用したサービスもかなり増えていて、より一層エンジニアのキャリアやスキルセットの多様性は増してきてるなと感じています。
そういった状況下なので、今後よりエンジニアリングマネージャーといった役割の重要度は増してくると思います。

今年一年、マネージャーとして自身が向き合ってきた堅牢化というスローガンは、体制面の構築といった観点ではかなり前進があったものの、成果としてはまだまだこれからといった着地となりました。
来年もまた継続して堅牢化のスローガンを掲げるかは未定ですが、この一年の試行錯誤と前進が成果に繋がる事を目指し、頑張って行こうと思います。