チームでのNotion戦略の策定と運用【Advent Calendar 12/20】
この記事は Colorful Palette アドベントカレンダー 12/20 の記事です。
こんにちは、Colorful PaletteでNotionを色々やってるのきなです。
Colorful Palette(以降、カラパレ)のエンジニアチームではドキュメント共有ツールとしてNotionを使用しています。
しかしチームでNotionを使うとページが行方不明になったり、ルールガチガチで使いづらいといった問題に直面することがあります。
そこで今回はカラパレ、特にサーバーチームでのNotionの使い方について書きます。
Introduction
Notionは自分がジョインする前から使われていました。
しかしメンバーが各々の判断でページを作成していたため、無法地帯と化していました。
実際使いづらい、ドキュメント消えた、どこにあるの?と阿鼻叫喚。
そこで、Notionの改善をする運びとなりました。
改善の流れとしては以下の通りです
課題の洗い出し
チームでのNotion活用戦略策定
戦略に合わせたページ作成
1. 課題の洗い出し
改善をするにあたり、まず課題の洗い出しを行いました。
具体的にはチームメンバーへのヒアリングと、ページを見てどのように使っているかを分析しました。
チームメンバーヒアリング
チームメンバーには問題点と要望をヒアリングしました。
その結果を以下に簡潔にまとめます。
問題点
どこになにがあるかわからない
各ページのスコープが大きい
目的のページになかなか辿り着けない
要望
ガチガチなルール固めは守れる気がしない
Notion難しいからなるべく簡単に使えるようにしてほしい
ヒアリング結果をまとめると、
と自分は解釈しました。
ページ分析
次にどのような用途で使われているかを雑に分類し、Notionをみんながどのように使いたいのかを考えました。
実際にページをサーフィンしていたところ、目的別に3つに分類できました。
分類結果
手順書(いわゆるドキュメント)
調査ややったことのログ
報告・議事録
上記3つの分類の違いは以下の通りです。
手順書: やったことを再現できるよう書き記すを目的とする
調査・ログ: 調査の内容や実際にやったことをとりあえず書いておくことを目的とする
報告・議事録: ページ間に共通性を持たせ継続的に書くことを目的とする
これらのことからサーバーチームに求められるNotionとは
ちゃんと書くものととりあえず書くものを区別できる構造
どこにあるかわかりやすい構造にする
区別はしつつ、ルールはゆるく設ける
と考えました。
これらを考慮して戦略を決めていきます。
2. チームでのNotion活用戦略策定
チームとしてNotionをうまく活用していくための戦略を決めていきます。
用途やチームからの要望は前節で書いたような形で、それをベースに決めていきます。
決めた戦略は
です。
サーバーチームは「KKGDD: 気になった人が気が向いた時に頑張る駆動開発」という謎のメッセージがSlackチャンネルに固定されています。
この思想に代表されるように、やろうと思った人がガッとやって改善することがあり、それが歓迎される文化になっています。
Notionで言えば「あ、これ書いとくと便利かも」とか「使うかわかんないけどとりあえず書いとくか」のような気が向いたときになるべく阻害しないような仕組みが求められます。
逆にそのドキュメント執筆モチベーションが、使い方がよくわからないことでなくなるのは最悪です。
むしろ、サクッと書けてもっと書きたいとなるような仕組みにしたいと考えました。
これをNotionに反映させると
なるべく階層を少なくする
ページの括りを少なくする
タグ必須化等のめんどくさいお作法をなくす
これらが考えられます。
3. 戦略にあわせたページ作成
これらと前節のページ分析で出た要素を考慮して策定したNotionのページが以下の画像の通りです。
1枚目がトップページ、2枚目がログのページの中身です。
トップページは各ページのリンクの上にタイトルをつけ、どういう用途でこのページを使うかが一目でわかるようにしています。
ドキュメントは「後世に残したい整ったページ」を、ログは「議事録や調査・実装過程等の文字通りログ」を書き残すために使います。
「まとめ系のページ」はドキュメントやログの中身をまとめて、特定の用途で見やすくするためのページとして使っています。 例えばオンボーディングでは、新しく入ったメンバーがよく見る環境構築や技術説明のページをまとめて掲載したりしています。
ログのページは議事録、障害報告、運用調査、実装ログの4つに分かれています。
議事録は会議の議事録、障害報告は実際に起きた障害をまとめたレポートを、運用調査はメトリクスやデータ周りの調査、実装ログは実装の設計を書いています。
この構造だと階層は3層が最大となります。
トップページからタイトルやページ名を見てどこに書くかを判断できるような形にしました。 上の階層から探索がしやすいため、ページを探すときにも有効な仕組みとなっています。
Ending
このNotionの形に7月ごろに変更し、5ヶ月ほど運用してみました。
この形での運用に関して、導入時は新しく運用し直すことの周知とこの形に対するフィードバックのために説明をしましたが、その後は説明することなくチームメンバーも迷いなく利用できていると感じています。
この5ヶ月に新メンバーが入ったりしてますが、書く場所の指示が特になくとも自然と書く場所を選んで書いてくれてます。 その意味ではNotionに詳しくない人も上手く使える形になったかなと思います。
また、他の人の記事を参照する時も、どこにあるかを自分で見つけることができるためストレスなく使えています。
今回はカラパレのサーバーチームでのNotion戦略の策定から運用まで書きました。
明日はとめさんによる色収差に関する記事です。 お楽しみに。