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【おしごとパレット】シナリオチーム:誰かの心に届く物語をつくる仕事

ゲームづくりには数多くの人が関わっており、それぞれの技術やアイディアをかけ合わせて1つのゲームを制作しています。【おしごとパレット】では、そんな数あるColorful Paletteの仕事の一部を紹介していきます。

今回は「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(以下、プロセカ)の制作に携わる、シナリオチームの仕事内容やこだわりについて取材しました。


シナリオチームのミッション

Colorful Paletteのシナリオチームのミッションは、「誰かの心に届くストーリーやキャラクターを生み出す」ことです。
キャラクターの魅力やストーリーの面白さは、ユーザーさんがゲームの中で期待してくれている部分かと思います。キャラクターのひとりひとりが“そこに生きている人間”だと感じてもらえるよう、成長の過程や感情の動きはもちろんのこと、普段のちょっとした会話も丁寧に描くように心掛けています。ユーザーさんがキャラクター達を思い切り応援できるように、キャラクターを生き生きと魅力的に描きたいという思いで制作にあたっています。

シナリオの執筆は、基本的にチームで行います。これは、描くシナリオが書き手のひとりよがりなものになってしまわないようにするためです。チーム内でフィードバックと修正を重ねるのはもちろんですが、シナリオが形になってきた際には社内のメンバーにも展開し、セクションを問わず感想を募ります。Colorful Paletteには自社コンテンツ愛の強い人や、ものづくりに情熱を注いでいるメンバーが多いため、各所からたくさんの意見が集まります。さまざまな視点からの意見を取り入れてブラッシュアップをすることで、よりユーザーさんに喜んでもらえるシナリオが届けられるのではないかと考えています。
時には思考が煮詰まってしまったり、アイディアの枯渇に悩むこともあります。しかし、そんな苦しみと向き合いながらつくりあげたものが、ユーザーさんに心に届き、喜んでもらえるものになっていたら、とても嬉しく思います。

シナリオチームの仕事内容

プロセカのシナリオチームは、ゲーム内のキャラクター設定や、ストーリーに関わる制作物の大部分を担当しています。

1.イベントストーリーの執筆

毎月開催されているイベントストーリーを執筆します。
キャラクターの成長や交流を描くもの、季節に合ったキャラクターのエピソードなど、題材や雰囲気が異なる様々なストーリーを描きます。“登場するキャラクターの魅力が十分に伝わるか”、“ユーザーさんの期待する見せ場やキャラクター間の交流があるか”などを留意しつつ、メンバーで意見を出し合いながら制作します。
どのストーリーでも言えることですが、特にユニットごとのイベントは、キャラクターが物語の中で、“どんなことに悩み、どんなことに喜びを感じるのか”“今後どのような道を進んでいくのか”を突き詰めて考えることが大切になります。時に彼ら彼女らを見守るような気持ちで物語を描いています。

2.サイドストーリーの執筆

イベントにあわせてリリースされるカードには、それぞれ固有のサイドストーリーがついています。
サイドストーリーでは、イベントストーリーでメインとなって動いていたキャラクターの裏で、仲間たちはこんなことを考えていた、こんなことを話していた、といった別視点でのシナリオを描いています。イベントストーリーよりも短いものになるため、伝えたい部分をしっかりまとめることが大切です。イベントストーリーでは描けなかったものの、ユーザーさんが「このあとどうなったんだろうな」「ここもっと見てみたいな」と気になったであろう部分をピックアップし描いていくことを心掛けています。

3.エリア会話、システムボイスの執筆

「エリア会話」とは…
ホーム画面にいるキャラクターたちをタップした時に読めるキャラクター同士の会話のこと。

「システムボイス」とは…
ストーリー、エリア会話以外で、ゲーム内で流れる掛け合いやセリフのこと。
メニュー画面でのキャラクターのセリフや、ライブプレイ時に聞ける掛け合いなどもシステムボイスに含まれる。

エリア会話やシステムボイスのシナリオは、最も気軽にキャラに触れてもらうことができる部分です。そのため、一言でキャラクターらしさが伝わるものにできるよう心掛けています。短いセリフの中でキャラクター同士の関係性や、キャラクターの好きなもの・嫌いなもの、生活スタイルなど、他のストーリーでは触れられていない側面を描く部分でもあります。ユーザーの皆さんに、キャラクターに興味を持ってもらえるような内容にできるよう意識して制作しています。

4.ライブの台本執筆

プロセカでは、ゲーム内のバーチャルライブから、ゲーム外で行われるリアルイベントのライブまで、様々な形式のライブが行われます。これらのライブに関わる台本の制作もシナリオチームの仕事です。
ライブは総合的な演出や見せ方が大切ですので、他セクションと連携し密に連絡をとりあうことが重要になります。MCの進行やセットリストなども考えながら、ユーザーさんが熱狂できるようなライブ作りに取り組んでいます。

5.ボイス収録立ち合い

キャラクターに命を吹き込むボイス収録も、作品をつくる上でとても大切な工程です。プロセカでは、声優さんが収録している現場に立ち会い、“そのキャラクターらしくなっているか”“シナリオで伝えたかった想いが表現されているか”といった部分をチェックします。たとえば、「はい」というセリフひとつとっても、キャラクターの心情を深堀りすると、そこには不安や苦悩といった感情が隠れている場合があります。キャラクターの心情を現場で話し合いながら、その場にいる全員でものづくりをしている感覚が味わえるのがボイス収録の醍醐味でもあります。声優さんから質問があった場合もすぐに答えられるよう、気になりそうなポイントの読みこみを念入りに行ってから収録に臨みます。

以上の5つが大まかな仕事内容になりますが、その他にも、雑誌掲載文章の執筆やSNS系メディアのセリフ制作、シナリオに紐づく楽曲のチェック、コラボ監修など、シナリオチームの業務は多岐に渡ります。

1日の流れ

Colorful Paletteのシナリオチームメンバーはどのような1日を過ごしているのか?
Mさんの1日の流れをご紹介します。

深掘り!メンバーインタビュー


ここからはシナリオチームのメンバーにインタビューしました。

ー現在はどのような仕事をしていますか?シナリオチームで働くやりがいを教えてください。

Sさん:サイドストーリーやライブイベントの台本、エリア会話・システムボイスなど、イベントストーリー本編以外のシナリオやセリフの執筆に携わっています。
プロセカは、ストーリーや掛け合いがたくさん収録されているので、その分キャラクターの魅力をユーザーさんにお届けする機会がたくさんあります。キャラたちが生き生きと輝ける場を自分の手で作り、その姿をユーザーさんに見て喜んでもらえることは、大きなやりがいです。特に私は文章を書くのが好きなので、常に何かを書き続けられる毎日をとても楽しく感じています。
以前はボイス収録の立ち合いも担当していました。キャストさんがキャラに命を吹き込んでくださる瞬間をこの目で見られたのも、かけがえのない経験です。

Aさん:私はイベントストーリーをメインに執筆しています。それに伴ってイベントタイトル、イベントに紐づくカード名や衣装名の作成も担当しています。イベントストーリーは、キャラクターの根幹に関わってくるシナリオ作りが大半を占めるため、キャラクターの心の動きや仲間との関わり方、そしてその結果どんな風に成長するかを、緻密に考えて執筆する必要があります。
キャラクターひとりひとりの人生を背負うようなものなので、生みの苦しみもとても大きい仕事です。だからこそシナリオが世に出て、ユーザーさんに感動してもらえたり、喜びの声を頂けた時は、とてもやりがいを感じます。

ーColorful Paletteのシナリオチームの特徴や強みだと思う部分を教えてください。

Sさん:全員がパワーや情熱にあふれているところだと思います。
Colorful Paletteのメンバーは、みんな物事を前向きに考えられる人たちで、悩みや困りごとがあっても、一緒に協力して頑張っていこう!というスタンスを持っています。一緒に働いていてとても楽しく、刺激がもらえる職場です。
また、それぞれの得意分野を活かせる働き方を、みんなで考えていけるところも特徴だと感じます。私は「書くのが速い」「数をこなすのが得意」という武器があるのですが、チームでのものづくりでは活かしづらいという自覚がありました。そんな中で、「じゃあ“たくさん書ける”ことを活かそう。本編以外の全ての制作物の担当をお願いしてみよう」と今の仕事を任せていただいた時には驚きました。本来ならリスクを考えたり、保守的になりそうな場面でも、こういった思い切った采配ができるのはColorful Paletteの強みだなと思います。自分の得意なことを活かした働き方をさせてもらえるのは、他のゲーム会社にはない魅力だと感じます。

Aさん:私はこれまで、いくつかの会社でシナリオライターとしての就業経験があるのですが、Colorful Paletteは特に、メンバー全員が「最高のものを作ろう」と仕事に取り組んでいるのを感じますし、そういった文化が根付いていると感じます。
もちろん、ものづくりに携わる以上、「いいものを作りたい」という気持ちは誰もが抱いているものだと思います。しかし、余裕がないスケジュールで焦ってしまうことや、「どうしてもアイディアが思い浮かばない」といったスランプなど、制作する上では様々な壁があります。そのため良いアウトプットのために最後まで食らいついて制作を行うことが困難な場面も多いのが実情です。それでも“いいものを作る”ことを優先し、ギリギリの局面で「(納得がいかないのなら)作り直そう」というジャッジができるのがColorful Paletteの強みだと思います。これはチームメンバーが誰一人妥協することなく、同じ最終目標に向かって仕事にあたれているのが大きいと感じています。

ーColorful Paletteのシナリオチームで働くためにはどんなスキルやマインドが求められますか?

Sさん:私達シナリオチームは、キャラクターを愛してくださるユーザーさんに、それぞれのキャラクターの魅力を伝えることが重要なミッションです。そのため、大前提としてキャラクターへの深い理解が必要になります。それにプラスして、私は「上手に嘘をつく技術」が求められると思います。「嘘をつく」というと語弊があるかもしれませんが、私達シナリオライターにはアイドル経験やミュージシャン経験はありませんし、ドラマチックな生い立ちを持つわけでも、類まれな才能もありません。だからこそ、キャラクターたちが歩んできた過去、見てきたものを、地道なインプットや想像力で補いながら描く必要があります。とてつもなく大変なことですが、こういった想像力は、物語をつくる上で欠かせない要素だと思います。
シナリオの仕事は、自分がこれまでに勉強したことがすべて書いたものに反映される仕事でもありますので「無駄な学びなど何一つないのだ」という心構えで、どんな分野でも勉強しておくことを大切にしています。
また、ユーザーさんに「届けたいもの」を自分なりに持っておくことも、とても大切です。もちろんエゴばかりを貫くと独りよがりなものになってしまいますが、“届けたいもの”、“届けたい相手”を意識して描くストーリーは、相手に伝わる力が違うなと感じています。いい塩梅の“エゴ”を持ちつつ、“ユーザーさんに届けたいもの”がある人と、お互いに描きたいもの、やりたいことを相談し合いながらお話を作っていけたらと思います。

Aさん:スキル面では「キャラクターの感情を繊細に描くことができる」こと、マインド面では「“いいものを作る”ためにユーザーファーストの精神を忘れない」ことが重要だと考えています。
「いいもの」=「自分が思う最高のもの」ということではないというのがColorful Paletteのシナリオチームの思想です。これは、「いいもの」とは「ユーザーさんが喜んでくれるもの」だと考えているためです。
もちろん、自分の描きたいもののこだわりを持つことはとても重要なのですが、「それは違うのではないか」という意見が上がった場合に、それを素直に受け止める姿勢も大切になります。
シナリオの修正を何度も繰り返すことになり、時には「自分のやりたかったことが消されてしまった」と感じることもあるかもしれません。しかしその苦しみを乗り越えて、ユーザーさんに喜んでもらえるシナリオを届けられた時の感動は、何にも代えがたいものだと思います。ユーザーさんに最高の物語を提供するために頑張れる方と、ぜひ一緒に働きたいと思います。

以上、Colorful Paletteのシナリオチームの仕事についてご紹介しました。
【おしごとパレット】では、今後もColorful Paletteの仕事を紹介していきます。
引き続きColorful Paletteをどうぞ宜しくお願い致します。


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